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にっき

日記

宮本 百合子

11 一九二五年(大正十四年)

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 35,462 字 · 72 页

青空文庫

三月二十三日

三月二十四日

そのドイツとイタリーが現代では逆だ。テムペラメントの違いはおそろしいと考える。

三月二十三日(月曜)細雨

自分生理的の原因でこの三四日ナアヴァスだ。昨夜おそく就寝一ねむりしたと思うと急に門前で犬が鳴き出したので、目がさめる。不安で不安でやりきれず、家中見廻って長椅子に暫く腰かけて居たが到頭二階にゆく。Yも目さめて居、三十分ばかりでかえる。又ねむったが六時頃、Y、もうあれから眠れなかったと起きて来、二人で一ぜんの御飯をわけてたべ又眠る。とし子働くのはよいがやかましく、いら立つ。Yも勉強したいのに会へ行かなければならないのでこれもナアヴァス。二人ナアヴァス。可笑し。夕方スエ子、K、母上来。スエ子泊ってゆくことになる。夜、小南いろいろとどけて来る菓子その他。

スエ子、珍しいのではしゃぎ、かつなれないので、どこにゆくのでも私のあとをついて来る。眠るのに四ジョウにする。初めて泊った記憶、彼女が大きくなってからも思い出すだろうか。

三月二十四日(火曜)曇

朝おそくなり、起きぬけに仕度す。今夜中江百合子氏によばれて夜食事Y独り故どうかして出がけに顔を見てゆきたいと、二階に上って見る。