轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ちじんのあい

痴人の愛

谷崎 潤一郎

「大阪朝日新聞」1924(大正13)年3月~5月<br>「女性」1924(大正13)年11月~1925(大正14)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 179,399 字 · 353 页

青空文庫

「その横浜の、マッカネルと云う男かね?」

「西洋人のお友達なら大勢あるわ。マッカネルだって、別に怪しい訳じゃないのよ」

「ふん、どうだか、―――」

「それ、そう人を疑ぐるからいけないのよ、あたしがこうと云ったらば、ちゃんとそれをお信じなさい。よくって? さあ! 信じるか、信じないか?」

「信じる!」

「まだその外にも注文があるわよ、―――譲治さんは会社を罷めてどうする積り?」

「お前に捨てられちまったら、田舎へ引っ込もうと思ったんだが、もうこうなれば引っ込まないよ。田舎の財産を整理して、現金にして持ってくるよ」

「現金にしたらどのくらいある?」

「さあ、此方へ持って来られるのは、二三十万はあるだろう」

「それッぽっち?」

「それだけあれば、お前と己と二人ッきりなら沢山じゃないか」

「贅沢をして遊んで行かれる?」

「そりゃ、遊んじゃあ行かれないよ。―――お前は遊んでもいいけれど、己は何か事務所でも開いて、独立して仕事をやる積りだ」

「仕事の方へみんなお金を注ぎ込んじまっちゃイヤだわよ、あたしに贅沢をさせるお金を、別にして置いてくれなけりゃ。いい?」

「ああ、いい」

「じゃ、半分別にして置いてくれる?―――三十万円なら十五万円、二十万円なら十万円、―――」