轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
「石狩川」大観堂、1939(昭和14)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 253,535 字 · 506 页
その意見をたしかめることが、邦夷の思想を動かぬものにすることであった。
「ごもっとも――さりながら」
「――さりながら?」と邦夷は鸚鵡がえしに云った。
阿賀妻は眼をあげた。素手ではどうにもならぬのだ。彼は躊躇した。金銭食糧に困窮している彼らの立場を、あらためて人々の前で口にし、討議しなければならないのだろうか。
家中のものの信頼にこたえるならば、上に立つものがそれを暗黙のうちに解決しておかねばならぬものである。そのために、ひと知れず苦労した彼は、握った拳を振るようにして膝の上につき立てていた。腰高になって、そして伏すように手を突いて云うのであった。
「申しあげようと思っていましたが――」
邦夷は心持ち蒼ざめていた。その動揺の通りすぎるのを待つように例の漠然とした瞳であらぬ一角を眺めていた。そういう目もとに阿賀妻は窪んだ自分の視線を投げかけるのであった。
すると彼は自分が主君の視野にあることを疑わなかった。安心して述べることが出来た。邦夷もまたそれを知っていた。何も見ていないような虚ろな視界に、黒々とした阿賀妻の気組みを読み取った。
もとの家老は云うのであった。