轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
花と龍「読売新聞」読売新聞社、1952(昭和27)年6月20日~1953(昭和28)年5月11日<br>あとがき「花と龍(下巻)」新潮社、1953(昭和28)年7月31日<br>解説「火野葦平選集 第五巻」東京創元社、1958(昭和33)年
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 410,131 字 · 824 页
丸い玉がカランと落ちる。金五郎はこの音が好きだ。ゴクゴクと、ラッパ飲みをした。刺戟の強い冷たいラムネ水が、咽喉を通り抜けて行くと、いくらか、溜飲の下がる心地である。
「ああ、うまい」
と、思わず、声が出た。さらに、一本、飲んだ。
表をあわただしげに走り去る靴音、誰かを探し求める声、呼子の笛、サーベルの音も聞えた。先刻の警官隊かも知れない。
「また、喧嘩かな?」
何組かいる客の一人が、珍しくもなさそうに、大儀らしい口調で呟いた。電気ブランを飲んでいる土方風の男である。
(般若の五郎は、捕まったか知らん?)
憎むに足る不可解な行動をした五郎ではあったが、金五郎は、やはり、彼が無事に逃げ終せることの方を願っていた。
「小母さん、ラムネ、もう一本」
「よく、あがりますね」
「わたしは、ラムネが強いんですよ」
三本目を飲みながら、なにげなしに、卓のうえにひろげられてある新聞を読んだ。読むというより、見たのである。いくらか落ちついて来た金五郎の眼に、雑然と、さまざまな記事の見出しが映った。
――市電一万の従業員、遂に、総罷業。当局の非常時編成も敏活に、巧妙なる攻防戦術。