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ちょうにんげんエックスごう

超人間X号

海野 十三

「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页

青空文庫

「もしもし、それなら、あなたがたは道をまちがえていらっしゃいます」

「ははア……」

二人は顔を見あわせて、あたりをきょろきょろ。しかしやっぱり自分たち二人のほかに、何者の姿も見えない。目につくのは、すこしうしろの道ばたに、一本の大きな木が立っているだけであった。

「もしもし、あなたがたは、ここから道を八百メートルばかり引きかえすのです。すると地下壕の中にはいります。そこであなたがたは、一階上にあがるのです。そして4と書いてある方向標を見つけ、その方向へどんどん歩いていらっしゃれば、まちがいなく、三角岳研究所の下へでます。お分かりですか」

「どうもありがとう」

二人の大学生は、話の途中で、その声がうしろの立ち木の中から聞こえてくるのに気がついた。二人はその前まで行って、木を仰いで礼のことばをいった。ふしぎなことだった。

「失礼ですが、お嬢さんは、どこにいて、われわれを見ていられるのですか。お嬢さんの声が、この木にとりつけてある高声器からでて来ることは分かっていますがね」

と、山田君は、立ち木に話しかけた。彼の考えでは、遠くの場所に、そのお嬢さんが望遠鏡を持って、こっちを見ており、道に迷った人を見つけると、電話のスイッチを入れ、電話装置でわれわれに話しかけるのだと思った。