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ちょうにんげんエックスごう
超人間X号
海野 十三
「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页
いつのまにか雷雲はさり、けろりかんと午後一時の陽がさしこんでいる。
室内は、ますます明かるく照らしだされた。室内は、おそろしく乱れている。足の踏み場もないほど、こわれた物の破片で、いっぱいであった。
天井に、大きな放電間隙の球が二つ、前と同じ姿でぶらさがっているが、それから下へ出ていた二本の針金は、どこかへ吹きとんでしまってない。
その下に、六本のいかめしいプッシング碍子の台の上にのっていたガラスの箱は、碍子を残しただけで、あとかたもない。
曲面盤もなければ、ガラスの皿もない。そのガラスの皿の上にのっていたぶよぶよした灰色の塊――谷博士の作った「人造生物」も、どこへ行ったか、見えなかった。そしてあたり一面に、ガラスや金属やコンクリートの破片が乱れ散っていた。
「ああ、あたたかくなったと思ったら、こんどは非常にねむくなった。ねむい、ねむい」
しゃがれた声が、壁ぎわから聞こえて来た。博士がいったのではない。
「ああ、ねむい。しばらくねむることにしよう。どこか、ねむるのに、いい場所はないだろうか」
壁の穴のそばに立っていたグロテスクな機械人間が、がっちゃん、がっちゃんと動きだした。