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ちょうにんげんエックスごう

超人間X号

海野 十三

「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页

青空文庫

早く行こうよ」

「君たち、これはたいへんな話だよ。ちょっとあわてずに待ちたまえ。いったいあれはほんとうの谷博士かしら」

「そんなこと、あたりまえじゃないか。谷博士でなかったら、だれだというんだい」

「もしかしたら、……X号が博士のからだの中にしのびこんで……」

このおそろしい想像に、少年たちは冷水をあびせかけられたように、震えあがってしまったのだった。

「どうして……どうして、そんなことがわかる」

「だって、君、ふつうの人間なら、百万ボルトの電流を頭にかけられたら、一分一秒でも、生きていられるわけがないじゃないか。それだのに、博士はにやにや笑っている。ほんとうの博士なら、どんなに不死身だって……」

だれも答えるものはなかった。

「いつか博士はぼくたちに、病院で、X号のことを話してくれたね。博士が作った人工生物、電臓は、三千ボルトという高圧の電気をあびて、はじめて生命力を持ったんだ。そして初めは、機械人間のからだの中にはいっていた。それから火辻軍平の死体の中へはいりこんだ……」

四人はがたがた震えていた。

「そんなことができるくらいなら、X号が谷博士を殺して、その屍体の中へはいりこみ、われわれの目をごまかすことも、ちっともむずかしいことはないだろう。