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ちょうにんげんエックスごう
超人間X号
海野 十三
「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页
「どんなふうにするんだい。やってごらんよ」
「あの呪文はなんといったっけな。そうそう、たしかひらけゴマと叫ぶんだよ……」
「あッ、戸山君、壁が、……壁が動きだしたよ……」
少年たちは顔色をかえて、身ぶるいしながらたがいに身をすりよせた。それもそのはず、戸山少年が、ひらけゴマ、という合言葉を口走った瞬間、目の前の壁がぽかりと音もなく、大きな口をあけたのだ。
「これだ。これだったんだ。あの物語と同じようにひらけゴマといえば、秘密の通路への入口がひらくんだよ」
「じゃあ、どうする」
「このままにしちゃおけないよ。いったんこうして入口が見つかった以上、最後の最後まで博士の秘密を見やぶってやろうじゃないか」
「よし、では行って見よう」
戸山君のほか四人の少年は、恐ろしさにいくらか二の足をふんではいたが、戸山少年があまり元気がよかったし、X号の秘密を見やぶってやろうという好奇心でいっぱいで、この中にどんな恐ろしいものが、かくされているかなどということは少しも考えずに、壁の中へとふみこんだのだった。
だが、そこはまるで押入れのようなせまい穴で、右も左も前も上も下も、みな行きどまり、どこへ行きようもなかったのだ。