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ちょうにんげんエックスごう

超人間X号

海野 十三

「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页

青空文庫

「べつに……何も……」

「早く、自分の部屋にかえりたまえ。こんなところでうろうろしているところを、博士に見られたらたいへんだ。みんな殺されてしまうよ」

そのことばにも、機械人間とは思えないような、同情の調子がみなぎっている。

「君、君はいったい何者だね」

檻の鉄棒につかまって、ものすごい目で機械人間の方をみつめていた、サルの谷博士が、がてんがいかないというふうにたずねた。

「おや、このサルは口をきくんだね。そういうおまえこそいったい何者だ」

機械人間はおこったようであった。

「きさまらは、X号の一味のくせに、ぼくの正体がわからないのか。ぼくこそ、ほんとうの谷博士だぞ」

機械人間は、おどろいたように、二三歩よろよろとよろめいた。

「そんなばかな……そんなはずは……だがいったいそれはほんとうですか」

「ほんとうだったら、どうするんだ」

「そういえば、声もたしかに先生の……これは失礼いたしました。ずいぶん先生を、おさがししていたんですがね。まさか、こんなところにおられるとは気がつきませんでしたから。先生、X号の陰謀をごぞんじですか。地球上の人類を絶滅させて、自分らがそのかわりにとってかわろうという………」