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ちょうにんげんエックスごう
超人間X号
海野 十三
「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页
ただし、それは学問の上のことだけであって、友人と友人とのあいだがらは、たいへんおだやかであり、たがいの人格も信用していた。だから、谷博士は、自分の視力がやられ、神経もいたんでいるとさとると、みずからすすんで大宮山博士が院長になって経営しているこの柿ガ岡病院にはいる決心をしたのであった。知らない人は、ふしぎなことに思ったにちがいない。
院長たちの手あつい治療によって、谷博士はだんだん快方に向かった。
しかしよくなるのは神経病の方だけであって、視力の方はまだ一向はっきりしなかった。博士はいつも繃帯でもって、両の目をぐるぐる巻いていた。
「ぼくの目は、もうだめかね」
谷博士がたずねたことがある。
「いや、だめだとはきまっておらん。今の療法をもうすこしつづけたい。それが、効果がないとはっきり分かったら、また別の方法でやってみる」
「いよいよ目がだめなら、ぼくは人工眼をいれてみるつもりだ」
「人工眼か? 君の発明したものだね。まあ、それはずっと後のことにしてくれ。君はぼくの病院の患者なんだから、よけいな気をつかわないで、ぼくたちに治療をまかしておいてくれるといい」