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ちょうにんげんエックスごう

超人間X号

海野 十三

「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页

青空文庫

このお山の中で幽霊なんていっちゃならねえ。お山が、けがれますからね」

「でも、君が塔の中の人を見て、あまりふしぎがっているからさ」

「いや、博士さまにまちがいはねえ。これは土産ばなしができたわ」

たしかにその人物は、ほんとに生きている人間であって、幽霊ではなかった。

谷博士さまが研究所の中を歩いていなさった――というニュースは、たちまちそのあたりの村々へ伝わった。

「博士さまは、これからどうするつもりかの」

「金になるものは売って金にかえ、三角岳から引きあげるのじゃなかろうか。あんなにこわれては、直しようもないからねえ」

「もう、それに、こんどというこんどは、雷さまの天罰にこりなさったろう」

村人たちがそんなうわさをしているとき、谷博士が村へひょっくり姿をあらわしたので、みんなびっくり仰天。

「みなさん、しばらくごぶさたをしました。あのときはたいへん心配をかけて、すまんことじゃった。こんどは一つみなさんにお礼をしたいと思って、研究所へ帰って来ましたから、どうぞよろしく」

博士は繃帯を巻いている頭をさげた。

「まあまあ、博士さま、なにをおっしゃいます。そんなごていねいな挨拶じゃ、みんなおそれいります。