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ちょうにんげんエックスごう

超人間X号

海野 十三

「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页

青空文庫

あなたは、谷博士に似ているが、目はよくお見えになるようです。すると、あなたはほんとうの谷博士ではないということになりますねえ」

「あっはっはっは。なにをいうか、君たち。なにも知らないくせに。まあ、こっちへ来たまえ」

「いやです。おい、みんな早く、外へ出よう」

戸山のことばに、少年たちはすばやく博士ののばす手の下をくぐり、塔から外へとびだした。そして足のつづくかぎりどんどん走って、山をおりた。

一軒の警官の家の前へ出ると、その中へとびこんだ。

「たいへんです。大事件なんですから。東京の警視庁へ電話をかけてください」

「だめだねえ。この電話は、一週間まえから故障で、どこへも通じないんじゃよ」

「ちぇッ。しょうがないなあ」

少年たちは、そこをあきらめて、またふもとの方へ走った。そして東京への電話の通ずる家を探したが、なかなか思うようにいかなかった。

少年たちが目的を達して、警視庁と話のできたのは、その翌朝のことだった。

「せっかく知らせてくれたが、おしいことに、まにあわなかったねえ」

と、電話口に出た捜査課長はいった。

「どうしたんですか。まにあわなかったとは」

「というわけは、きのうの真夜中のことだが、雷鳴の最中に柿ガ岡病院に怪人がしのびこんで、谷博士の病室をうちやぶり、博士を連れて、逃げてしまったのだ。