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ちょうにんげんエックスごう
超人間X号
海野 十三
「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页
これじゃあ思うように活動ができやしない。ああ、苦しい」
X号は腹を立てて、寝椅子の上にころがり、ふうふうぶつぶついうのだった。
博士は、隅っこの破れ椅子に腰をうずめ、息をひそめて、X号のつぶやきに聞き耳をたてている。
「きっとやって来るだろうと思ったが、やっぱりやって来やがった」と、X号はひとりごとをつづける。「このあいだのちんぴら少年どもが、警察に知らしたのにちがいない。あの少年どもはうるさいやつらだ、早くかたづけてしまいたい。おれをにせものだといっぺんで見やぶりやがった」
X号はぷりぷり怒っている。
遠くで、自動車のエンジンをかける音がした。つづいて警笛がしきりに鳴る。
「ははあ、とうとう警察のやつらは、捜査をあきらめて引きあげていくな。ばかな連中だ。ここに最地階があるとは知らないで、引きあげていくぞ、もっとも、やつらも手こずったことだろう。ようやく研究所の中へおし入ってみると、いるのは金属で作った機械人間ばかりで、ふつうの人間はひとりもいない。何をきいても、『私は知りません』の返事ばかり。ははは、困ったろう」
三角岳の研究所に谷博士と名のる、にせ者がいて、怪しい工場をつくっていることを、五人の少年たちが東京の検察庁へ知らせたので、警官隊がここへ乗りこんできたわけである。