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ちょうにんげんエックスごう
超人間X号
海野 十三
「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页
怪人の死体とは!
なるほど、カンバスの布をかぶって棚の上に横たわっているのは、人間ぐらいの大きさのものだった。博士はカンバスをめくった。
「あッ、たしかに火辻軍平だ」
死刑囚だった火辻軍平のからだにちがいない。よく見ると頭蓋がひらかれ、脳髄のはいっていたところはからっぽだ。
「わしは、責任を感じています。わしの作ったX号という電臓は、死刑囚火辻のからだを利用していたのだ。電臓はこの中にはいっていたのだ」
と、博士は、空虚な頭の殻の中を指さした。
「そのX号の電臓とやらは、どうしたんですか」
「うむ、それこそおそるべきものなのだ。わしはX号を高圧電気によって殺した。そして今は死んでしまったX号の電臓はここにしまってある」
そういって、別の戸棚をひらいた。そこには大きなガラスの器に厳重に密封せられて、脳髄のようなものが保存されていた。
「これが、氷室君たちを悩ませ、わしを苦しめた恐るべきX号の死体なんじゃ。もうこれで諸君も天下の人々も安心してよいのじゃ」
「ふーん、これがあのおそろしい力を持っていたX号の電臓ですか」
検事たちは、目をガラス容器に近づけて歎息をついた。