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さこく
鎖国
和辻 哲郎
日本の悲劇
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 页
したのである。この過大な要求に対してスルタン側の意見は二つに分れた。商業を傷いたくないと思う人々は平和と賠償とをすすめ、この要求の承認によってスルタンの権威が地に墜ちることを恐れた人々は開戦を主張した。三万の兵、八千の砲、その他にヨーロッパ人の知らない戦象がある。どうしてこの敵を追い払えないことがあろう。遂に開戦論が勝って、七月二十五日市街戦が始まった。ポルトガル軍は相当マレー軍を圧迫したが、結局船に退却せざるを得なかった。八月十日に再び攻撃が始まった。九日間市街戦が続き、市街は漸次ポルトガル軍の手に落ちた。モール人に対しては特に仮借するところがなかった。アルブケルケは部下の労をねぎらって三日間掠奪を許した。大砲の鹵獲は三千門に及んだ。
アルブケルケはここに石の城を築いた。石材はモスクや王宮の石を使った。また貿易を回復するために土人の港務長を任命し、金銀の貨幣を作った。そうして東アジアの諸国と交友関係を結ぶ努力を始めた。シャムへは使者を送った。ペグへも送った。スマトラやジャバの諸王から手をさしのべて来た。シナへも使を送ろうとしたが、これはあとにのびた。