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さこく
鎖国
和辻 哲郎
日本の悲劇
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 页
これは多分飯盛布教の初期のことであろうと思われるが、それによって見ると、覇権を握っていた三好長慶自身が、新らしい機運のなかに立っていたと言えるのである。彼の「頭脳」の役をつとめていた結城山城守や清原外記の真先の改宗は、三好長慶の態度と無関係ではないであろう。
山城守や外記は、改宗後、イエス・キリストの光栄のために大著述をやった。日本の各宗派の起原・根柢・基礎、及び内容を説明してその虚偽を明かにし、終りにキリスト教を説いて、これこそ真実の救いの教であることを示したものであった。これは武士たちの間に相当に影響があったといわれる。一五六四年の夏には、京都の附近十六里以内のところで、五カ所の城内に会堂が建設されていた。或は、京都の周囲十二乃至十四里の間に会堂七カ所を建てていた。
この結果は九州のトルレスを動かして、一五六四年の初秋に、神父ルイス・フロイスや、イルマンのルイス・ダルメイダの京都派遣を、決意せしめるに至った。ところで、この新来のフロイスも、豊後で病院をはじめたダルメイダも、同じ期間に九州で新らしい形勢を作り出していたのである。
第五章 九州諸地方の開拓