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さこく

鎖国

和辻 哲郎

日本の悲劇

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 页

青空文庫

四 京都回復の努力

奈良を根拠地とする久秀にとっては、仏寺の勢力は無視し難いものであったに相違ない。この関係を考えると、仏寺及び宗教一揆に対して思い切った弾圧の態度をとった織田信長の出現が、日本におけるキリシタン全盛時代を作り出した所以は、理解せられ易くなるであろう。

四 京都回復の努力

京都を立ったフロイスたちは、鳥羽から船に乗り、夕方枚方で飯盛の武士たちに迎えられ、夜半に飯盛山下砂の結城左衛門の建てた小庵に着いた。そこにはビレラや信者たちが集まっていた。キリシタンの武士たちは宣教師の京都追放を憤り、おのれの所領や妻子を捨てて死の覚悟を以てそれに抗議しようといきり立っていたので、ビレラはそれを鎮めるのに苦心していた。フロイスは更に一里ほど先の三箇島に行って泊った。

一週間ほど後に、ビレラとフロイスとは送られて堺の町に移った。ここは当時としては最も安全な場所であった。二人は日本人のイルマン二人と共に布教に従事し、訪ねてくる飯盛の武士たちを力づけると共に、この富裕な町の教養ある人たちの間に教をひろめた。その間にも京都の教会の復興の努力は絶えず続けていた。一方では飯盛の武士たちが、他方では京都の信者たちが、それに呼応した。