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さこく
鎖国
和辻 哲郎
日本の悲劇
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 页
その証拠は、会堂新築の仕事と共に、また新築の結果として、急激に教勢が高まって来たことである。オルガンチノが新会堂の献堂式を挙げた頃までの二年間の教化の収穫は、その前の二十五年間のそれよりも多かったといわれている。さらにこの堂が大部分落成したといわれる一五七六年のクリスマス以後になると、僅か三四カ月の間に摂津河内で四千人のキリシタンが出来た。一五七七年の七月頃には六千三百人と数えられている。高槻、三箇、岡山などがそのおもな場所である。一向宗徒二百人が一時に改宗するというようなこともあった。
一五七七年九月にオルガンチノが当時インドにいた巡察使ワリニャーニに宛てて書いた報告によると、この年の四旬節の初日以来彼は七千人以上に洗礼を授けた。そうしてなお続々と改宗者が出て来そうであった。彼はこの形勢を京都の会堂の新築と結びつけて記述している。この『昇天の聖母』の会堂は、新築のために非常に骨が折れたが、しかしキリストの御名を挙げる基となるであろう。今既に大いなる効果が現われて来ている。京都の町全体は教会に対して態度を改めた。建築の初めの頃に教会を忌み嫌っていた人たちが、今は教会を尊敬し、悪言を放たなくなった。