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さこく
鎖国
和辻 哲郎
日本の悲劇
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 页
次でモンバサは少しく抵抗したために掠奪の上焼き払われた。インド沿岸では先ずゴア南方のアンヂェディヴの島に城を築き、次で南方オノル港では在泊中の船と町とを焼き払ってしまった。かくしてアルメイダは十月末カナノルに到って副王の位についたのである。この町にも城を築き百五十人の兵をして守らしめた。丁度その頃南方コラムに於て二十隻のアラビア船の入港を機としてポルトガル商館員殺戮の事件が起ったため、副王の子ロレンソは八隻の艦隊をひきいて急行し、アラビア艦隊を全滅せしめた。副王自身はコチンに到ってマノエル王の名の下にコチン王に戴冠せしめ、この地に石の城を築くことを承諾させた。
この年の末から一五〇六年の初めへかけて八隻の貨物船が香料を満載して帰国の途についた。これらは半年或は十カ月の後に無事リスボンに着き、大成功として迎えられたのであるが、他方インドに残った副王は、アラビア艦隊の攻撃にとりかかった。かくてロレンソはこの年三月、カナノル港外に於てカリカット王の二百隻の艦隊を見事にやっつけたのである。丁度その頃に、ベンガル湾沿岸からマラッカ、ジャバまで遍歴して来たヴェネチア人ルドヴィコ・ディ・ヴァルテマが来訪し、諸方の状況を物語った。