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さこく

鎖国

和辻 哲郎

日本の悲劇

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 页

青空文庫

その結果彼は、アルブケルケがその暴行によってポルトガル王の利益を害するという確信を一層強めた。で彼はオルムヅの摂政に書を送り、アルブケルケの有害な戦争遂行を不愉快に思うこと、オルムヅの貿易船の安全を保障することなどを伝えた。

他方アルブケルケは、ソコトラが根拠地として役立たず、むしろその救済につとめなくてはならなかったために、一五〇八年の盛夏までそこにぐずぐずしていた。そこへリスボンから援軍が来たので、前の残兵と併せて三百名の兵を掌握し、再びオルムヅ攻撃に向って九月に港の前に着いた。オルムヅは前年の城塞を完成し、脱走兵に鋳造せしめた大砲をも備えていた。だからアルブケルケは港を封鎖するに留めざるを得なかったが、なおその上に彼はアルメイダの書翰をつきつけられたのである。その結果あまり効果を上げることも出来ず、インドに向って引き上げた。副王に逢ったのは十二月であった。

副王の任期はこの十二月を以て終り、次にはアルブケルケが総司令官となる筈であった。しかしアルメイダはエヂプト艦隊との決戦、子のための復讐戦を終るまでは、任を離れることを欲しなかった。それには彼を迎えて帰る筈であった船(ホルヘ・ダギアルのひきいる十三隻の船団の旗艦サン・ジョアン)がアフリカ東岸で沈没し、予定の通りに着かなかったという事情も手伝っている