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「やまとみんぞく」とはなんぞや

先住民と差別 喜田貞吉歴史民俗学傑作選

喜田 貞吉

喜田貞吉『先住民と差別 喜田貞吉歴史民俗学傑作選』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「日本民族」とは何ぞや、「ケット」と「マット」、奥羽地方のシシ踊りと鹿供養、火葬と大蔵、くぐつ名義考、国栖の名義、国号の由来、時勢と道徳観念、周防石城山神籠石探検記、炭焼長者譚、長吏名称考、憑き物系統に関する民族的研究、手長と足長、道鏡皇胤論について、間人考、人身御供と人柱、法隆寺再建非再建論の回顧、本州における蝦夷の末路、オシラ神に関する二三の臆説、サンカ者名義考。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 195,063 字 · 389 页

青空文庫

言うまでもなく毛人とは蝦夷の事で、東方において殆ど唯一の毛髪鬚髯の濃厚な人種であることからこの名を得たのであった。その存在は早く支那人に知られて、山海経に毛民国の名があり、唐人は正に「毛人」の二字を以てこれを表わし、日本紀以下我が国でも往々この文字を採用し、その勇猛純樸であることから、奈良朝前後の人名に、甚だ多くこれが呼ばれているのである。およそ東亜の諸人種諸民族中において、かくの如き毛深いものは他に殆どこれを見ない。漢人、満人、蒙古人、朝鮮人、乃至台湾、馬来の人々に至るまで、僅かに鼻下と下顎とに少量の鬚を有するを常とするにかかわらず、今の北海道のアイヌには甚だそれが多い。歴史上の蝦夷また同様で、為に毛人と呼ばれ、我が日本民族中にもまたこれに類したものが多い。これは石器時代以来そのまま各地に遺存したもの、または歴史時代に奥羽地方から、俘囚の名を以て盛んに内地諸国に移された蝦夷の血が、日本民族中に行き渡って存在しているが為であると解せられる。そしてこの秋山地方において、特にケットすなわち毛人と呼ばれて差別的の眼を以て見られた山間住民の保存された事は、里の民衆が早く日本民族に同化融合した後に至っても、なお交通不便なこの仙境に、先住民族の旧態が久しく保持された為であろう。