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「やまとみんぞく」とはなんぞや
先住民と差別 喜田貞吉歴史民俗学傑作選
喜田 貞吉
喜田貞吉『先住民と差別 喜田貞吉歴史民俗学傑作選』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「日本民族」とは何ぞや、「ケット」と「マット」、奥羽地方のシシ踊りと鹿供養、火葬と大蔵、くぐつ名義考、国栖の名義、国号の由来、時勢と道徳観念、周防石城山神籠石探検記、炭焼長者譚、長吏名称考、憑き物系統に関する民族的研究、手長と足長、道鏡皇胤論について、間人考、人身御供と人柱、法隆寺再建非再建論の回顧、本州における蝦夷の末路、オシラ神に関する二三の臆説、サンカ者名義考。
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ここにおいてか余輩の臆説が起る。いわゆるオシラ神また一種の宅神として、アイヌのチセイコロカムイと同一起原の物ではなかろうかというのである。
アイヌが神にイナオを供するのは、内地で神に幣束を供すると同一行事である。アイヌのイナオは一つにヌサといい、内地の削り掛けの精巧なもので、邦語のヌサすなわち幣束を表わす語をそのまま輸入しているのによっても、その同一性質のものであることが知られる。内地で今日ふつうに行われている幣束は、細く切った紙を幾条か集めて木の枝にかけたり、或いは紙を交互に切れ目を入れて折りかけ、それを竹または木の柄に挟んだりしたもので、ふつうに御幣などと呼んでいるが、これはまったく原意を失った告朔の羊ともいうべきもので、本来は衣服の料たる布帛、或いはその原料たる麻苧などを、幣物として神に供するものであった。アイヌのイナオまたまさにそのとおりで、やはりもとは衣服の原料として木の皮の繊維を神に供えるものであったに相違ない。しかるに内地で布帛あるいはその原料たる麻苧が紙の幣束に変ったと同じように、アイヌの方にもそれがついに形式的の削り掛けになってしまったものであると解せられる。