轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

07 第七分冊

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 200,903 字 · 400 页

青空文庫

「ほとんど、破竹の勢いと申してもよいほどでございます。私どもが立ち帰る頃、すでに信忠卿の軍は、諏訪口へ入ったと聞えておりました」

「さすがは、御威光である。信長公みずから御出馬の戦。そうなくてはならん。右府様にもいよいよお元気にお見上げ申したか」

「はい。このたびの甲州入りは、時も春、峡山の花見にひとしい。帰途は東海道に出、富士見物の御予定などと――これは侍側の方々から伺ったことですが、余裕綽々たる御陣中の様であると承りました」

「そうか。いや大儀。はやくやすめ」

任務をこれでおわった二人は、初めて疲労を姿にあらわしながら退出した。

が、秀吉はなおそこにいた。襖絵の白鷺を見つめている。自鷺の眼だけに黄色い彩具が塗ってあった。鷺が彼を睨んでいるようでもある。

「……やはり官兵衛かな。官兵衛をつかわすしかあるまい」

つぶやくと、小姓を呼びたてた。石田佐吉がまかり出た。佐吉もめっきり成人して、いよいよ端麗な小姓振りであった。

「お召しあそばしましたか」

「呼んだ。……二の丸に、黒田官兵衛が詰めておるはず。それと、蜂須賀彦右衛門とを、同時に呼んで来てくれい」

「どこへ御案内いたしますか」