轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ちじんのあい
痴人の愛
谷崎 潤一郎
「大阪朝日新聞」1924(大正13)年3月~5月<br>「女性」1924(大正13)年11月~1925(大正14)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 179,399 字 · 353 页
「だけどお前、そうツケツケと悪口を云うもんじゃないよ。傍で聞いていてハラハラするから」
「大丈夫よ、あたしにはあたしで考があるわよ。―――なあに、あんな女にはそのくらいのことを云ってやった方がいいのよ、でないと此方まで迷惑するから。まアちゃんだって、あれじゃ困るから注意してやるって云っていたわ」
「そりゃ、男が云うのはいいだろうけれど、………」
「ちょいと! 浜ちゃんが綺羅子を連れて来たわよ、レディーが来たら直ぐに椅子から立つもんよ。―――」
「あの、御紹介します、―――」
と、浜田は私たち二人の前に、兵士の「気をつけ」のような姿勢で立ち止まりました。
「これが春野綺羅子嬢です。―――」
こう云う場合、「この女はナオミに比べて優っているか、劣っているか」と、私は自然、ナオミの美しさを標準にしてしまうのですが、今浜田の後から、しとやかなしなを作って、その口もとに悠然と自信のあるほほ笑みを浮かべながら、一と足そこへ歩み出た綺羅子は、ナオミより一つか二つ歳かさでもありましょうか。が、生き生きとした、娘々した点に於いては、小柄なせいもあるでしょうが、少しもナオミと変りなく、そして衣裳の豪華なことは寧ろナオミを圧倒するものがありました。