轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ちじんのあい

痴人の愛

谷崎 潤一郎

「大阪朝日新聞」1924(大正13)年3月~5月<br>「女性」1924(大正13)年11月~1925(大正14)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 179,399 字 · 353 页

青空文庫

か知らん、と、よくそう思い思いしました。

私の頭はこうして次第に惑乱され、彼女の思う存分に掻きられて行きました。私は今では、正式な結婚でなければ厭だの、手玉に取られるだけでは困るのと、もうそんなことを云っている余裕はなくなりました。いや、正直を云うとこうなることは始めから分っていた筈なので、若しほんとうに彼女の誘惑を恐れるなら、附き合わなければいいものを、彼女の真意を探るためだとか、有利な機会を窺うためだとか云ったのは、自分で自分を欺こうとする口実に過ぎなかったのです。私は誘惑が恐い恐いと云いながら、本音を吐けばその誘惑を心待ちにしていたのです。ところが彼女はいつまで立ってもそのつまらない友達ごッこを繰り返すばかりで、決してそれ以上は誘惑しません。これは彼女がいやが上にも私を懊らす計略だろう、懊らして懊らし抜いて、「時分はよし」と見た頃に突然「友達」の仮面を脱ぎ、得意の魔の手を伸ばすであろう、今に彼女はきっと手を出す、出さないで済ます女ではない、此方はせいぜい彼女の計略に載せられてやって「ちんちん」と云えば「ちんちん」をする、「お預け」と云えば「お預け」