轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
いしかりがわ
石狩川
本庄 陸男
「石狩川」大観堂、1939(昭和14)年5月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 253,535 字 · 506 页
金さえ儲かればそれで宜いという考えは、それは親方の気持で、これら職人の間にはまだ公然と通用していなかった。即ち、今日はこれで済ましておれても、明日の仕事となればまたまたその親方にまわして貰わねばならぬ破目に陥るからである。義理を欠いたことは仕事から締めだされることであった。そういうことにならないとは誰も保証してくれないのだ。
だが今更逃げだすことも出来ないのだ。腰にある二本のわざものが脅かしていた。それはたしかに、それだけでも気持よいものではなかった。しかし、重苦しく足蹴りに出来ないものは、却ってしがない職人である彼自身の内にあった。これもやっぱり一聯の支配者なのだ。今は同等に交際っていても、いつかは自分の上に立つものにちがいなかった。いや、――立っていたものであった。その姿を見ただけで、はッと何か冷酷なものを彼らの胸に反射する親ゆずりの畏怖に駆られていた。
しらふのときには、それと同じ気持が五体を従順に立ちはたらかせていたのだが、酒を飲むにつれ、さかさまに流れだした。目の前の恐れがしれびてしまうのだ。そしてその代り、心の内側に秘めていた反感がむかむかとおしかえして来たのだ。