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ちょうにんげんエックスごう

超人間X号

海野 十三

「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页

青空文庫

しかも博士は、高い天井から吊したロープの端の輪に両足をかけ、機械体操の要領で、さかさにぶらさがっているのである。

そのような恐ろしい放電は、六分ぐらいつづいた。

「もうよかろう、電気をとめてくれ」

博士はひくい声でうめいた。

「先生、もうよろしいですか」

機械人間は、念をおして、機械のスイッチを切った。

実験室の中は一瞬、深い暗闇に包まれたが、これはどうしたことだろう。博士の全身は夜光虫のように、ボーッと青白い光りを放ち、髪の毛は針ねずみのように逆立って、その一本一本からは、ぱちぱちと音を立てて、ものすごい火花が飛んでいるではないか。

「一……二……三……」

博士は、ひらりと宙を飛んで、空中でとんぼがえりをすると、床の上にまっすぐ降り立った。

「ああ、これでやっとせいせいした。たまには電気をかけないと、どうも疲れてやりきれないよ」

まるで、あんまかマッサージでも、してもらったというように、博士はにやにやと笑って、腕に力こぶを作り、二三度深呼吸をしていたのであった。

「おい、あの五人の少年は、もう寝たかね」

博士はタオルで、からだの汗をぬぐいながら、機械人間にたずねた。