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ちょうにんげんエックスごう

超人間X号

海野 十三

「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页

青空文庫

やけどをするといけませんから、向こうのすみへ、はなれていてください」

しゅーッと音がして、機械からは、紫色の雷弧がとびだした。その火にあたると、がんじょうな鉄の錠も、みるみるあめのようになって、どろどろに熔けおちてしまったのだった。

「さあ、これで扉はあきましたから、出ていらっしゃい」

サルは、おどりあがって、檻からとびだした。

「ありがとう。機械人間君、お礼をいうよ。このとおりだ」

サルは機械人間の鉄の手をにぎって、ぽろぽろと涙をこぼした。

「お礼なんか、どうだっていいんですよ。だれかに見つかるといけませんから、ちょっと細工をしておきましょう。どうせばれるにはちがいありませんが、一分でも時をかせいだ方が有利ですからね」

機械人間は、檻をたたいて何か合図をした。すると空になった檻は、すっかりひとりでに動いて廊下へ出た。と思うと、廊下からは、となりの部屋にあったはずの、サルの眠っている檻が、ひとりではいって来たのである。

「こうしておけば、しばらくは先生がここから逃げだしたこともごまかせるでしょう。X号は、先生がいつのまにか、サルに退化したと思ってびっくりしますよ。