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ちょうにんげんエックスごう
超人間X号
海野 十三
「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页
おまえたちは、原子爆弾の恐ろしさが分からないか」
「えッ、原子爆弾ですか。それではわれわれもまごまごしていると、原子病にかかるわけですね」
「そうだ。そのとおり。さあ、引っかえそう」
その時である。道の三百メートルばかり向こうで、ぱーッと物すごい土煙があがった。
「さあ、ピカドンだぞ」
検事も、署長も、警官隊も、あわてて道のそばの谷そこへ逃げ込んだ。
「どうも君、へんだよ。いまのは原子爆弾ではなさそうだぜ。まだ研究所の建物は、あのとおり、しっかりしているじゃないか」
双眼鏡で、おそるおそる研究所の方を見まもっていた検事が、そばの署長にささやいた。
「そういえば、なるほどそのとおりですね。どうしたんだろう」
これがロケット砲弾の砲撃だった。署長のことばが終らぬうちに、第二弾がとんで来て、乗用車もトラックも、こっぱみじんに吹きとばされた。さいわいに、警官隊はみな車をとびおりて、穴の中や谷底にかくれていたので、人間の負傷はなかったが、もうこうなっては一行も進退きわまってしまったのである。
砲撃はますますはげしくなりはじめた。ところが、あまり狙いが正確なので、かえって命には別条がなかったのである。