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ちょうにんげんエックスごう

超人間X号

海野 十三

「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页

青空文庫

「先生、X号がこの飛行機の中にしのびこんでいますよ」

「えッ、なんだって、それはほんとうかい。どうしてそんなことが分かった――」

博士は警部の腕をとらえて、はげしくゆすぶった。

「いま、冷蔵室へ、私のからだを運びこんで出て来たとき、廊下の端を曲った男があったんです。それがなんと――先生にそっくり、あのX号にちがいないんですよ」

「そしてその男はどこへ行った」

「気がつかないように、あとを追いかけましたが、どこにも見えません。X号の恐ろしさはよく私も知っていますから、一人であぶないことをするよりは、こう思って、先生に報告をしに帰って来たんです」

「そうか。よくやってくれた。それならばまだいくらか望みはあるぞ……」

博士はしきりに考えこんでいたのだった。

「分かった。きっとそれにちがいない。X号は原子爆弾とウラニウムの原料を持って、この飛行機に乗りこんだんだ。それだから、原子爆弾を投下しても、あの程度の爆発しか起こらなかったんだ」

博士はひざを叩いて叫んだ。

「でも、いつのまにそんな離れわざをやったんでしょう」

戸山少年が、ふしぎそうにたずねた。

「あの放送をしてから、この航空船が飛びだすまでには、五六分の時間があったろう。