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ちょうにんげんエックスごう
超人間X号
海野 十三
「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页
おお寒む。どこかはいるところがないだろうか」
しゃがれたうえに、ぶるぶるとふるえている声だった。一体だれがしゃべっているのであろうか。
「おお、見つけたぞ。あれがいい。おあつらえむきだ」
その怪しい声が、ほっと安心の吐息をもらした。
しばらくすると、煙の中で、かんかんと、金属をたたくような音がし、それから次には、ぎりぎりごしごしと、金属をひき切るような音がした。
「だめだ。はいれやしない」
大きな音がして、煙の中から、鋼鉄製の首がとんできて、壁にあたり、がらがらところげまわった。そのあとから、またもう一つ、同じような鋼鉄製の首がとんできて、それは壁のやぶれ穴から、外へとびだしていって、外でにぎやかな音をたてた。
「一つぐらいは、はいりこめるのがあってもいいのに……」
怪しい声は、ぶつぶつ不平をならべたてた。
と、また煙の中から、黒光りのするものがとんできた。鋼鉄の腕だった。鋼鉄の足だった。それから鋼鉄の胴中だった。それらのものは、ひきつづいて、ぽんぽん放りだされた。壁にあたってはねかえるのがある。天井にぶつかって、また下へどすんと落ちるものがある。つづいてまた、鋼鉄の首が、砲弾のようにとび、ごろごろところげまわる。