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ちょうにんげんエックスごう

超人間X号

海野 十三

「冒険クラブ」1948(昭和23)年8月~1949(昭和24)年5月号、「超人間X号」光文社、1949(昭和24)年12月刊行の上記単行本で完結

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 89,025 字 · 178 页

青空文庫

「どういうわけだろうかねえ」

少年たちが、こそこそ、こんな会話をしているとき、谷博士の前へ、少女がつかつかと出ていった。もちろんこの少女は、例の山形警部だった。

「谷博士、私をもとのからだに戻してください。こんなふうに、少女の姿で、いつまでも置かれるのはかないませんよ。私は我慢をしますから、すぐ手術をしてください」

山形警部の電臓を持った少女は、そういって博士に訴えた。

これには、まわりに立っていた氷室検事をはじめ同僚や部下の警官たちも、大いに同情した。

「さあ、それはわしには自信がないのですがねえ」

と、博士は、困った顔をして見せた。

「なぜです。それはなぜですか、私をこんな姿にしたのは、博士、あなたじゃありませんか」

「わしではない。X号がやったのです」

「でも、あなたが指導しました。あなたが手術のやりかたをX号に教えなければ、私はこんなからだにかえられなくてすんだのです」

「わしは、X号に強いられた。そしてX号はわしの脳の働きを盗んだ。憎いやつだ」

「だから、博士、あなたは、私をもとのからだに直すことができるのです。私のもとのからだは、あの冷蔵室にちゃんとそのままになって保存されています。