轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

さこく

鎖国

和辻 哲郎

日本の悲劇

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 页

青空文庫

従って西への海路の方が近道であるということは動かない。この近道という考がコロンブスに対して非常に有力に働いたのである。

航海者ヘンリの仕事が既にその実を結びかけている時代に、右の如き典拠に基いた知識が有力に働いたということは、全く不思議であるが、しかしそれは、楽園の位置と性質や切迫せる世界の没落などに関するアイーの考がそのままコロンブスを支配していたことを思えば、まだ何でもないのである。地上楽園は遙かなる東方の高いところにあって、そこから川が恐ろしい勢で流れ下っている筈であった。後にコロンブスはオリノコ河口に達したとき、これが楽園から流れ出る川だと真面目に考えたのである。

が、コロンブスの西航の企てに決定的な影響を与えたものは、やはりトスカネリの手紙であろう。コロンブス自身の書いたコピーによると、

「リスボンのフェルナン・マルティンス僧会員に物理学者パオロより挨拶を送る。香料の国へ行くにギネアを通る道よりももっと近い海の道があることを曽て貴下と話し合ったことがある。それを思うと、王陛下と貴下との親密な御交際の御知らせは一しお愉快に感ぜられる。王は今やあの方面のことにあまり通じないものでも理解し得るような、むしろ眼見に訴えて人を承服せしめる底の説明を求められる。