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さこく
鎖国
和辻 哲郎
日本の悲劇
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 页
町の半ばは焼かれ、要塞も一時占領された。防禦につとめたピサロの三人の弟の内、一人は戦死した。ピサロは救援に赴こうにも途中の山路を扼されて如何ともなし得なかった。やがて謀叛が全国に拡まれば征服の成果は危うくされるであろう。ピサロはかく考えてパナマ、ニカラグヮ、グヮテマラ、メキシコなどの総督に救援を求めた。コルテスが二隻の援軍を送って来たのはこの時のことである。これがアルマグロの帰着の時の情勢であった。第二の原因は、遠征の留守中にアルマグロがスペイン王からペルー南部の総督に任命されていたことである。その地域はサンチャゴ河の南二七〇レガより始まり南方に拡がるあらゆる国土ということであった。アルマグロはクスコが自分の領分に属すると考えた。でマンコの軍を撃退しつつクスコに迫って、ピサロの弟ゴンサロ及びエルナンドに町の明渡しを要求した。両人はそれを躊躇したが、彼は一五三七年四月八日の夜、突然町に侵入して両人を捕縛してしまった。これがピサロ派とアルマグロ派との衝突の始まりなのである。
丁度その頃、ピサロに救援を頼まれたアルバラドは、五百名の隊を率いてクスコへ進軍中であった。