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さこく
鎖国
和辻 哲郎
日本の悲劇
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 页
特に一向一揆に関しては、ちょうどこの時代に蓮如上人が地方の信者の間に「組織」を植えつけて歩いたことを考え合わせなくてはならぬ。彼の布教の著しい特徴は、信心談合のための講の組織や寄合などを奨励し、農民の間に緊密な精神共同体を育成したことであった。それによって人々は、活溌に話し合うということ、従って会議によって全体的な意志を結成することなどを学んだ。その蓮如が越前吉崎に布教の根拠地を作ったのは、応仁の乱中の一四七一年であるが、教団は急激に加越地方に蔓延して行って、十数年の後には右にいったような一揆を起し得るに至ったのである。それは前述の山城の国一揆よりも三年後の一四八八年であった。一揆の指導者は民衆の中の有力者と一向宗の僧侶とであった。民衆の組織は教団の組織と平行して作られ、郡や組村がそれぞれ寄合を持った。この自治的統制は都合よく運び、やがて越中や能登をも合同せしめて、強力な自治団体を形成したのである。民兵による戦闘力も十分武士に対抗し得たのであって、越後の長尾の軍にはしばしば勝ち、越前の朝倉に対しても絶えず圧迫を加えていた。
以上は民衆の一揆の代表的な例であるが、それほどに成功しなかった地方においても、一揆運動は民衆の間に「組織」