轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
さこく
鎖国
和辻 哲郎
日本の悲劇
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 页
ところが、その惟長の歿後十日ほどを経て、上京不可能であろうと思われていた信長が、突如近江の国に姿を現わした。一五七三年の四月末であった。その報が達すると共に、義昭は急いで味方の兵を二条城に籠らせ、濠の橋を引いた。内藤ジョアンも部下の兵と共に城に入った。市民はまた大混乱に陥った。フロイスもまた家財の荷造りや発送をはじめた。内藤ジョアンは護衛兵、馬、人夫などを出して、その荷物を丹波へ送らせた。そうして熱心にフロイスに丹波へ避難することをすすめた。しかしフロイスはなお会堂と信者とを見捨てなかった。丁度その頃に細川藤孝と荒木村重とは、信長の軍を逢坂まで出迎えたのである。もし内藤ジョアンが信長方であったならば、フロイスも信長を出迎えることが出来たかも知れない。
信長は四月三十日(天正元年三月二十九日)午前、京都の東の郊外に入り、智恩院から祇園へかけて陣を取った。フロイスはその午後、カブラルの信長への書簡や贈物の楯などを携えて小西隆佐の家を訪ねた。多分信長への接近の手だてを隆佐に相談しに行ったのであろう。隆佐の家では家族は皆避難し、隆佐と子の行長だけが武器を持って残っていた。