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さこく
鎖国
和辻 哲郎
日本の悲劇
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 页
京都の信者のうち、新しい会堂建築の主動者となり、その建築のために最も熱心に働いたのはこのレアンとメオサンとであった。レアンはこの建築のために多額の寄附をしたのみならず、この計画のために、いろいろ智慧を絞った。フロイスは、事毎に、殆んど皆レアンの意見に従ったと云っている。メオサンも分以上の寄附をし、木材買入れに寒中四十里余の山中へ出掛けたりなどした。この好き老人は、夜眠れない時に、キリシタン都市としての京都の都市計画を考案して楽しんだという。京都に数多い仏寺を改造して、キリスト教の大寺院、貧民病院、受洗志願者の家、学校などを建設するのである。
しかし新会堂の建築に力をつくしたのは、京都の信者のみではなかった。摂津河内のキリシタン武士たちも熱心にこれに加わった。
先ずあげられるのは高槻城の高山ダリヨ、ジュストの父子である。一五七三年の春、和田惟長を追い払って高槻城主となった高山ダリヨは、もう五十歳を越えて居り古い戦傷が時々痛みもするので、城の支配をジュスト右近に委せて、自分はキリスト教のことに専心し始めた。先ず第一に着手したのは会堂の建築である。元神社のあった、大樹のある広い場所にそれを建て、周囲に大きい庭を造った。