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さこく
鎖国
和辻 哲郎
日本の悲劇
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 页
これらのことは皆信盛の庇護の下に行われたのであろう。
佐久間信盛のほかにもう一人注目すべきは荒木村重である。村重は摂津武庫郡の郷士であったが、その臣事していた池田の城主の不才なのにつけ込み、同僚と共に党を組んで池田城の実権を掌握した。和田惟政を奇襲して斃したのはこの連中である。当時は反信長の陣営にいたが、村重は漸次信長方に傾き、高山ダリヨを後援して高槻城主たらしめた頃には、はっきりと、信長の手についた。それは一五七三年四月、信長が足利将軍との対決のために急遽上京して来た時であった。信長は村重を重んじ、和田惟政にやらせたと同じように、摂津の統治をやらせた。京都の教会は池田の兵士と幾分の関係を持ってはいたが、池田地方が深くキリスト教と関係し始めたのは、村重の下に高山父子がいたからである。
村重は、高山父子との接触の初期に、おのれの領民に対して、権力を以て一向宗への帰依を強制したことがある。聴従しないものは罰するというのである。これは村重が一向宗の狂信者であったからではなく、一向宗の僧侶が巧みに村重を籠絡したが故に起ったことであった。一向宗徒は、宗派の命令として、領主に特別の年貢を納めることになって居り、それが村重をひきつけたのである。