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さこく

鎖国

和辻 哲郎

日本の悲劇

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 页

青空文庫

村重は彼らを非常に款待し、もし京都で何事か事が起って信長の庇護を必要とするような場合には、彼も極力援助するであろうと云った。翌日は、村重の支配下にある兵庫まで村重の兵士たちに送られ、村重の指図によって法華寺に宿った。ここへも方々から信者が送りに来た。堺の信者たちは船で来た。こうして兵庫の港が利用し得られるようになったのは、村重のキリスト教庇護の結果であろうと思われる。

しかし一向宗への帰依強制から一向宗徒のキリシタンへの改宗強制に転じた荒木村重は、一五七八年の末に、また一向宗徒と結んで信長に反するに至った。そのため高山父子は非常に苦労しなくてはならなかった。だから村重が教勢拡張に寄与したのは、比較的短かい間のことであった。

がとにかく、京都の会堂が壁画以外は全部落成し、いろいろ世話になった京都所司代村井貞勝を会堂に招待して、ロレンソの説教を聞かせたりなどした一五七八年には、信者の数は急激に殖え、信長一家の庇護は十分であり、異教徒の大名たちさえも、キリスト教に好意を示して、日本におけるヤソ会の仕事の最高潮期に入りつつあったのである。

第十一章 キリシタン運動の最高潮