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さこく

鎖国

和辻 哲郎

日本の悲劇

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 443,306 字 · 875 页

青空文庫

獄死したものも多かったが、後者の内には次々に殺されたものもあった。しかしそれでも入牢者はだんだん殖えて行ったのである。その処分が一六二二年の夏頃から行われたのであった。前述のズニガ、フロレス、平山船長の三人が火刑、船員十名乗客二名が斬罪に処せられたのは、八月十九日であったが、ついで九月十日(元和八年八月五日)に、数年来たまっていた宣教師及び信者五十五人が、長崎の立山で、火刑と斬罪に処せられた。これが「大殉教」と呼ばれるものである。しかし処刑はそれで終らず、二日後に、宣教師など十八人が大村の山中の人里離れた所で刑の執行を受け、つづいて長崎附近の諸処で、同様の処刑が続行された。全体では百数十人に達するであろう。

ついで一六二三年、家光が将軍となった年には、江戸で、原主水、ヤソ会のアンゼリス、フランシスコ会のガルベス以下五十人のキリシタンが、悉く火刑に処せられた。少しあとでそれらの人の妻子など二十六人(或は四十三人)が同じく火あぶりになった。なおこの年には仙台でも三十六人処刑されたらしい。

翌一六二四年には東北地方の迫害が続き、仙台と秋田とで多数のキリシタンが処刑された。