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じろきちこうし
治郎吉格子 名作短編集(一)
吉川 英治
線上閱讀吉川 英治《治郎吉格子 名作短編集(一)(じろきちこうし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 178,609 字 · 362 頁
どうだい、今日は、おれが、貸元になるから、無宿者の真似をして、遊ぼうじゃねえか」
飲むか、寝るか、女ばなしか、する事がないので、大びらに、博奕なども初めるが、自分の首の番をしてもらっている吉良殿は、弱身があるので、
「左様な事は、相成らぬ」
とも、いえなかった。
丈八郎は、たった一つの希望、お信のことだけを、時折、思いだしたが、その将来は、千坂兵部が誓ってくれている。何の、思いのこす事はないのである。
(いつでも)
と、死を待つ、さわやかな気持が、非常に、彼を自由にした。どんな遊戯、どんな、見下げるような浪人とも、楽につきあえて、面白く、相手の人間性を見ることができた。
――殊に一角に対する考えは、前とは、まるで変っていたし、一角も、やや心の落着きと、その居所を得たというのか、だいぶ、荒んだ影がとれてきた。
「雪だ」
というので、まかない方へ、
「こん夜は、鮟鱇鍋を出せ。酒も、よけいに」
と、それを、十一人でとり囲んで、ぐっすり寝込んだ晩だった。まさに、十二月の十四日である。
屋根の雪なだれ――かと、思っていた物音に、耳をすますと、陣太鼓。
がばっと、真っ先に、一角が、