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やぎゅうつきかげしょう

柳生月影抄 名作短編集(二)

吉川 英治

線上閱讀吉川 英治《柳生月影抄 名作短編集(二)(やぎゅうつきかげしょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 173,309 字 · 352 頁

青空文庫

匹夫が贅に飽いたかの如き、勿体ない申し分でござるが、以後は、一汁一菜か、二菜、それも、ちさ汁、糠味噌漬などの類にて、仰せつけ下さるよう、お膳番へ、お頼み申しあげまする」

弥兵衛、惣右衛門、十内なども、尾についていった。

「そうじゃ、そう願いたいよ」

「実を申すと、毎日の御馳走には、少々、参った形でござる」

伝右衛門は、笑いだした。

「それでは、贔屓のひき倒しというやつでござるの」

「そうそう、それに、書見のほか、ほとんど身動きもせぬ体じゃ」

「ところが、二汁五菜は、太守のお声がかりでござれば、これや、一存で減らすわけにはゆかず……。それに加えて、御台所はいうに及ばず、料理人どもは、何でもかでも、各※(二の字点、1-2-22)方に欣んでいただきたいと、腕によりをかけ、必死に、美味い物を、美味い物をと作りますので――」

「いやあ、愈※(二の字点、1-2-22)、弱る」

「ちと、お体を動かすことが出来ればよろしいが、それだけは、公儀のてまえ。……定めし、外気にも、飢えましょうの」

沈黙家の奥田孫太夫が、隅の方から初めて口を出した。

「毎晩、足の土踏まずが、かさかさして閉口でござる。