Japanese reading practice

Read classic Japanese books with furigana

ja-reading.com

Read classic Japanese books online with furigana. Filter by JLPT level, tap a word for the meaning, and translate a sentence.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控 鬼の面

野村 胡堂

Read 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.

N2 · advanced · modern kanji and kana · 130,082 characters · 257 screens

Aozora Bunko

お比奈は六弥の倅の皆吉で、小さい時から女姿で育ち、自由自在に女にも男にもなれるという重宝な野郎だが、人間は恐ろしく太いよ。死んだ親父の志を継ぐために三千両の金を拵えることを考え、義理の娘のお島を無理に引入れて、黒雲五人男の芝居を書いたのさ」

「お島というと、あの八人芸の」

「栄屋の山之助というのは、実は女で、八人芸のお島が姿を変えたのだよ。皆吉のお比奈に無理に仲間にされ、喧嘩になって浅草で額を割られた、あれは黒雲五人男のせいではなくて、義理の弟の――しかも女装になって居る皆吉のせいだよ、――其処へ俺が顔を出すと、この平次には昔の怨みがあるから、馬鹿にしてやろうと思い付いて、あんな黒雲五人男の芝居を拵えたのだ」

「ヘェ、太え奴等で」

「お前の家へ入った泥棒は、お島の山之助だ」

「でも、侍髷が頬冠りの下から見えたと叔母は言いましたぜ」

「付け髷だよ、五、六寸の棒がありゃ、叔母さんの眼位は胡魔化せるよ」

「ヘェ、呆れた話で」

「それから丸屋で毒薬を盗んで、春徳寺で三千両を盗ったのさ、お島の山之助は悪事をいやがるから、人質のつもりで俺のところへ預け、お比奈の皆吉が一人でやった仕事だよ。