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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控 鬼の面
野村 胡堂
Read 銭形平次捕物控 鬼の面 (ぜにがたへいじとりものひかえ) by 野村 胡堂 (のむらこどう) in Japanese with furigana. JLPT N2. Tap a word for the meaning.
N2 · advanced · modern kanji and kana · 130,082 characters · 257 screens
住職と小僧を縛った修業者も、皆吉の早変りさ」
「首の赤い痣は?」
「そんなものはわけも無く描けるじゃないか」
「三千両の金が、あの寺にあるとどうしてわかったんです」
「千両箱は一つ五貫目もあるんだ、――あの時は外へ持出す隙が無かったよ。それに合棒も無いとわかると、寺の中に隠して居るときめて差支はあるまい。俺が三千両を見つけてしまったと、お前がお比奈に言うと、我慢が出来なくなって、日暮れを待ちかねて様子を見に来たろう、――阿波屋の娘のお由利は、それを襖の隙間から見て、お小姓に違いない――と飛出そうとするんだ、それで間違いあるまい」
「ヘェ、恐ろしいことですね、あんな綺麗な若造が――」
「義理の姉のお島が手伝ったといっても先ず皆吉一人の仕事だ。黒雲五人男が江戸一パイに蔓こると見せた手際は恐ろしいよ」
「お島はどうしました」
「何処かへ逃げたよ、それでいいじゃないか」
こう言った平次です。