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Japanische Klassiker mit Furigana

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あらくれ

あらくれ

徳田 秋声

Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme

Aozora Bunko

その時ふとお島の目を脅かしたのは、蚊帳のそとから覗いている作の蒼白い顔であった。

「莫迦、阿母さんに言告けてやるぞ」

お島は高い調子に叫んだ。それで作はのそのそと出ていったが、それまで何の気もなしに見ていたそれと同じような作の挙動が、その時お島の心に一々意味をもって来た。お島は劇しい侮蔑を感じた。或時は野良仕事をしている時につけ廻されたり、或時は湯殿にいる自分の体に見入っている彼の姿を見つけたりした。

お島はそれ以来、作の顔を見るのも胸が悪かった。そして養父から、善く働く作を自分の婿に択ぼうとしているらしい意嚮を洩されたときに、彼女は体が竦むほど厭な気持がした。しかし養父のその考えが、段々分明して来たとき、お島の心は、自ら生みの親の家の方へ嚮いていった。

「何しろ作は己の血筋のものだから、同じ継せるなら、あれに後を取らせた方が道だ」

養父は時おり妻のおとらと、その事を相談しているらしかったが、お島はふとそれを立聞したりなどすると、堪えがたい圧迫を感じた。我儘な反抗心が心に湧返って来た。

作の自分を見る目が、段々親しみを加えて来た。彼は出来るだけ打釈けた態度で、お島に近づこうとした。