Japanische Klassiker mit Furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme
十六
中には野菜畠や田地も含まれていた。子供が多いのと、この二三年兄の浪費が多かったのとで、借金の方へ入っている場所も少くなかった。去年の秋から、家を離れて、田舎へ稼ぎにいっている兄の傍には、暫く係合っていた商売人あがりの女が未だに附絡っていたり、嫂が三つになる子供と一緒に、東京にあるその実家へ引取られていたりした。父親の助けになる男片と云っては、十六になるお島の弟が一人家にいるきりであった。
家が段々ばたばたになりかかっていると云うことが、そうして五日も六日も見ているお島の心に感ぜられて来た。母親のやきもきしている様子も、見えすいていた。
十六
お島は父親が内へ入ってからも、暫く裏の植木畑のあたりを逍遥いていた。どうせここにいても、母親と毎日々々啀みあっていなければならない。啀み合えば合うほど、自分の反抗心と、憎悪の念とが募って行くばかりである。長いあいだ忘れていた自分の子供の時分に受けた母親の仕打が、心に熟み靡れてゆくばかりである。一万二万と弟や妹の分前はあっても、自分には一握の土さえないことを思うと頼りなかった。それかと言って、養家へ帰れば、寄って集って急度作と結婚しろと責められるに決っていた。