Japanische Klassiker mit Furigana
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あらくれ
あらくれ
徳田 秋声
Lesen Sie あらくれ von 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 119.451 Zeichen · 236 Bildschirme
十八
夕方裏の畑へ出て、明朝のお汁の実にする菜葉をつみこんで入って来ると、今し方帰ったばかりの作が、台所の次の間で、晩飯の膳に向おうとしていた。作は少し慍ったような風で、お島の姿を見ても、声をかけようともしなかったが、大分たってから明朝の仕かけをしているお島の側へ、汚れた茶碗や小皿を持出して来た時には、矢張いつものとおり、にやにやしていた。
「汚い、其地へやっとおき」お島はそんな物に手も触れなかった。
十八
お島が作との婚礼の盃がすむか済まぬに、二度目にそこを飛出したのは、その年の秋の末であった。
残暑の頃から悩んでいた病気の予後を上州の方の温泉場で養生していた養父が、急にその事が気にかかり出したといって、予定よりもずっと早く、持っていった金も半分弱も剰して、帰って来てから、この春の時に用意したお島の婚礼着の紋附や帯がまた箪笥から取出されたり、足りない物が買足されたりした。
お島はこの夏は、いつもの養蚕時が来ても、毎年々々仕馴れた仕事が、不思議に興味がなかった。そして病床に寝ている養父が、時々じれじれするほど、総てのことに以前のような注意と熱心とを欠いて来た。