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Japanische Klassiker mit Furigana

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けんのよんくんし

剣の四君子・日本名婦伝

吉川 英治

Lesen Sie 剣の四君子・日本名婦伝 (けんのよんくんし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 150.635 Zeichen · 306 Bildschirme

Aozora Bunko

「……ふうム。……そうか。よかろう、供について来い。だが、わしはつねにあてのない旅路をさまよっている人間だよ。合点か」

「もとより修行の道。師とお仕えすることができますならば、いずこの空なりとも」

「……善鬼」

「はあ……」

「おまえの弟弟子だ。今朝からはな。……仲よくせい。また、よう導いてやれ」

「この者の入門をおゆるしになったのですか」

「おまえの弟弟子として恥かしくないものだろう。わしにもちと見るところがあるによって」

「ははあ。そうですか」

善鬼は正直者である。感情をつつむことすらできなかった。それほどに無智な中で育った生い立ちの粗野が、この年になってもまだそのまま、人がらの中に根づよく残っていた。

五

師弟は三人となった。なるほど朝夕側に仕えてみると、弥五郎一刀斎は気難しい。善鬼の蔭口は嘘ではない。

朝起きるから寝るまで叱言である。歩き方がいけない、坐り方が悪い。廁の出這入りから眠っている間でも寸分の油断はできない。時には、大喝を浴び、横顔へ平手を喰う。

「ありがたい。すべて是、修行でないものはない」

典膳は忠実に服して、飽くまで師の心にかなおうと努めた。