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Japanische Klassiker mit Furigana

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けんのよんくんし

剣の四君子・日本名婦伝

吉川 英治

Lesen Sie 剣の四君子・日本名婦伝 (けんのよんくんし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 150.635 Zeichen · 306 Bildschirme

Aozora Bunko

八

新十郎はまた、新介の耳へ、こう信念をもって囁いた。

「あなたは今に名を成すだろう。きっと大成する質だ。大事になさいよ」

八

天文二十年、新介宗厳は、二十五歳になった。

その春、彼は、由利女を携えて、十年ぶりで、柳生の城へ帰った。

――が、父の家厳はもうこの世にいなかった。彼は、山間の八千石に足らぬ痩地と、数百の家臣と、古びたままの小城とを享けて、乱世の中からさらに乱世へと臨んで行ったのである。

永禄二年。筒井順昭もすでにその頃病死していた。

時は近づいた。信貴山城の松永久秀が、大和へ攻め入る事前に、

「呼応して、南の地より、筒井領へ斬り入られよ」

と、簡を通じてきた。

この時から、柳生一族は、筒井の隷属から離れた。そして松永弾正の七手の旗頭として重用された。

多武ノ峰の合戦では、山徒の僧兵と戦い、松永氏の勢が昂まるに従って、柳生家も当然、隆昌に向ったが、その弾正久秀が、三好義継と共に、永禄八年の夏、二条御所へ放火して、乱刃の下に、将軍義輝を弑逆してから、柳生宗厳は、彼にもすっかり望みを断って、

「わが兵馬は、逆のために動かさず。わが剣は、乱のために把らず」