Japanische Klassiker mit Furigana
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けんのよんくんし
剣の四君子・日本名婦伝
吉川 英治
Lesen Sie 剣の四君子・日本名婦伝 (けんのよんくんし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 150.635 Zeichen · 306 Bildschirme
景季は、わざと、義経のことばをそらして、威儀作った。
「早速ですが、かねて頼朝公から、貴方へ御内命のあった一儀、何故の御延引かと、お怒りでござる。一体、いつお討果しになるお心か、確と、その儀を伺いに参った。御返答を賜りたい」
「新宮十郎行家どのを、討てとの、仰せつけのことであるか」
「そうです」
「行家どのは、兄頼朝にとっても、この義経にも、叔父御にあたるお人であろうが」
「おことばまでもありません」
「しかも、平家追討の折には、河内より兵を引っ提げられ、摂津では、軍船や粮米を奉行せられ、勲功もあるお人」
「しかし、鎌倉殿には、忠誠でありません。頼朝公を甥と侮られ、根が、木曾殿の幕下にあったお方だけに」
「理窟は待て。兄上には、すでに、佐々木定綱に命じて、行家どのを討てとおいいつけなされたそうだが、義経は、情において、叔父御を討つに忍びない。――そういう兵馬は義経の旗下にはない」
「噂には、あなたが、行家殿を匿っておられるとも聞きますが」
「知らぬ。あのお方とて、犬死はしとうあるまい。隠れるのは当り前じゃ」
「では、鎌倉殿の仇を庇われて、御命に叛かるるお考えか」
「たれが」